複利効果

 日経平均株価がバブル崩壊後の高値を更新しています。1989年末に38,915円という史上最高値をつけた日経平均株価は1990年に入ると坂を転がり落ちるように暴落し、長い下り坂は2003年4月まで続きました。この間の日本の株式市場は、まさに「失われた15年」でした。

 その後上昇した株価は、リーマンショックで再び底を見ましたが、2012年あたりから上昇傾向をたどり、英国のEU離脱、新型コロナウイルス、ロシアのウクライナ侵攻などの影響を受け、又、歴史的な円安にも見舞われ上がったり下がったりを繰り返していました。
 その日経平均株価が、5月17日に1年8ヵ月ぶりに3万円台を回復、もしかしたらバブル期の史上最高値を更新するかもしれないという期待感が高まっています。
 株高の要因としては、海外投資家の動向、堅調な企業業績などがあげられますが、「投資の神様」と言われているウォーレン・バフェット氏の「日本株への投資宣言」も影響しているかもしれません。
 ウォーレン・バフェット氏の投資戦略は、徹底的に調べて選んだ優良銘柄を長期保有するというもので、とくに「複利」の考え方を重視しています。

複利の効果とは・・・

 金融商品の金利の付き方には、大きく「単利」と「複利」の2種類があります。
 単利とは、「投資元本」に対して利子がつくことで、常に同じ元本をもとに利子が計算されます。一方複利の場合は、毎年の利子を元本に加えて計算されますので、利子に対しても利子が付くので単利よりも増えていきます。これが「複利効果」です。
 さらにこの「複利効果」は、年数が経てば経つほど、長期になればなるほどその効果が大きくなるという特徴があります。複利効果を期待するためには、「早く始めて長く続ける」ことが大切です。

<100万円を単利・複利で運用した場合>

 元本100万円の運用を、5%の単利、5%の複利で比較してみました。10年を超えたあたりから差が出てきて、その後どんどんその差が広がっていきます。「利子が利子を生む」複利効果を時間をかけて活用することがお金を増やす王道だと言えます。

2023年7月公開