地震災害への備え「家計地震保険」

「津軽てんでんこ」という言い伝えが、岩手県の三陸海岸地域にあるそうです。

”てんでんこ”は「各自」「めいめい」を意味し、「津波が来たら、取るものも取り敢えず、肉親も構わずに、各自てんでバラバラに1人で高台に逃げろ」「自分の命は自分で守れ」という意味だそうです。

その結果、自分自身は助かり、家族や他人を助けられなかったとしても自らを責めない、又それを避難されないようにするための救いの言葉でもあるそうです。

2011年の東日本大震災から満7年、地震規模モーメントマグニチュード9.0、最大震度7を観測した観測史上最大の地震でしたが、特に巨大津波が発生したため、東北地方から関東の太平洋沿岸部は壊滅的な被害を受けました。

内閣府の防災白書によると、この時の被害総額は約16兆9千億円となっていますが、阪神淡路大震災の9兆6千億円に比較して、いかにこの時の被害が大きかったかがわかります。

その被害に対して、「家計地震保険」はどのくらい役にたったのでしょうか?

家計地震保険

地震から約半年後の2011年10月の時点において、各保険会社への事故受付件数81万6185件のうち、保険金支払い件数は1兆1625億円でした。

被災地における地震保険の加入率は決して高い数字とは言えず、岩手県13.2%、宮城県33.6%、福島県で14.6%でした。そのため約17兆円の被害に対して地震保険でカバーできたのは約1兆2000億円にとどまりましたが、事故受付件数の約86%が保険金支払いの対象に認定されています。

地震保険法によると、家計地震保険は「地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的とする」と記されており、家の建て替えや家財の再購入のための保険とは記されていません。

「家や家財を失い、家族を亡くし、失業した状態から少しでも早く脱し、生活を安定させるための当座の資金を賄うこと」
これが家計地震保険の役割なのです。

今もなお揺れ続ける日本列島に住む限り、地震に対する対策や備えはしっかり考え、準備するべきだと思います。

遺族年金と死亡保険

遺族年金は、国民年金または厚生年金に加入されていた方が亡くなったときに、その方によって生計を維持されていた遺族が受け取ることができます。遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。

1)遺族基礎年金

遺族基礎年金は「子のある配偶者」または「子」が受け取ることができます。

※子とは、18歳になった年度の3月31日までの間にある子(受給要件を満たした被保険者が死亡した当時、胎児であった子も出生以降に対象になります。)、20歳未満で障害等級1級、2級の障害状態にある子、婚姻してないこと。

年金額:779,300円+子の加算(第1子、第2子は各224,300円、第3子以降は各74,800円)

2)遺族厚生年金

遺族厚生年金は、厚生年金加入者に生計を維持されていた遺族が受け取ることができます。

30歳未満の子のない妻は5年間の有期給付となります。

・中高齢寡婦加算

妻が受け取る遺族厚生年金には、次のいずれかに該当する場合には40歳から65歳になるまでの間、584,500円(年間)が加算されます。受給要件は、夫が死亡時に40歳以上65歳未満で生計を同じくしている子がいない妻か、子が18歳到達年度の末日に達して遺族基礎年金を受給できなくなったときになります。

・経過的寡婦加算

昭和31年4月1日以前生まれた妻に65歳以上で遺族厚生年金の受給権が発生したときに加算。

≪遺族年金給付例≫

例えば、4人家族(夫、妻とも35歳、子2歳、5歳)で夫が今亡くなった場合に、遺族基礎年金は約123万円が13年間、約100万円が3年間受給できます。

遺族厚生年金は平均標準報酬額により受給額が違います。平均報酬額が30万円だと仮定すると年間約37万円(平成15年4月以降に厚生年金に加入して加入月数が300日以下の人)受給できます。

65歳になり遺族厚生年金と老齢厚生年金を受ける権利がある妻は、老齢厚生年金が全額支給となり、遺族厚生年金は老齢厚生年金に相当する額の支給が停止となります。

また、下の子が18歳になった時に妻は51歳なので、51歳から65歳にかけて中高齢寡婦加算584,500円が14年間受給できます。

この遺族年金を考慮すると今夫が亡くなると妻は上の子が18歳になるまで約160万円/年、下の子が18歳になるまで約140万円、その後妻が65歳まで約95万円、65歳からはご自身の国民年金と厚生年金(遺族年金のほうが多ければ、差額が遺族厚生年金から支給)になります。

※詳しくは日本年金機構HPをご参照ください。

この遺族年金を考慮にいれると死亡保険金額が下げられ、保険料を減らすことができます。

積立投資を考えよう。今年から始まった「つみたてNISA」

「人生100年時代」に向けて必要なものはなにかと聞かれて、もし3つあげるとすると、1つ目は前向きに生きるための「生きがい」、2つ目はそれを支える「健康」、そして3つ目は生きていくためのコストとしての「そこそこのお金」ではないかというのが私論です。

その中で「そこそこのお金」がどのくらいかは、その人の生き方や生活環境によって違いますが、「そこそこのお金」を貯める方法をFPとしてアドバイスさせていただく中で、やはり「時間をかけた積立投資」は外せません。

みなさんが保有している金融資産には、預貯金や有価証券などの「今あるお金」と、これから入ってくるであろうお給料や年金などの「未来のお金」があります。積立投資は、このうち「未来のお金」を使って行う資産形成法です。

「未来のお金」は、日々の生活費や教育費、住居費などに使われる予定のものですが、その中から、毎月、将来のためにいくら捻出できるか、それを将来のための「費用」として考えられるかどうかが大きな分かれ道になるのではないかと思います。

毎月の収入の中から、同じ額でコツコツ投資していく方法がおすすめですが、これはとてもシンプルで簡単、誰にでもすぐ始められます。ポイントは、習慣にすること、自動的に投資できるような仕組みを作ることです。そのためには、口座から毎月自動的に金融商品にお金が送金される仕組みを利用するのが一番簡単ではないでしょうか。

利用する金融商品や制度としては、様々なものがありますが、今年創設された「つみたてNISA」の制度はその選択肢のひとつです。

「つみたてNISA」の特徴は…

  • 対象者は日本に住む20歳以上。
  • 投資可能期間は2037年12月まで。最長20年。
  • 投資できる金融商品は、金融庁が定めた要件を満たす投資信託とETF(約140本)。
  • 投資限度額は、年間40万円、累計800万円。
  • 最低投資金額は金融機関による(ネット証券では100円以上)。
  • 購入方法は、定期かつ継続的な買い付け。
  • 引き出しはいつでも可。
  • 投資によって得られた利益や分配金にかかる税金が0%。
  • 口座開設料、口座管理手数料がかからない。

いいことばかりのようですが、注意点もあります

  1. 投資信託やETFは「元本確保型」ではないので、元本割れする可能性がある。
  2. 元本割れしたとしても、他の証券口座のプラスと損益通算ができない。
  3. 繰り越し控除もできない。
  4. 投資対象の金融商品が限定されている。
  5. 非課税期間が限定されている。
  6. 余った非課税枠の持ち越しはできない。
  7. 年の途中で売却しても、一度使った非課税枠は復活しない。
  8. 分配金の再投資は「新規買い付け」とみなされる。

また、2014年にスタートした「NISA」との併用はできず、口座開設は同一年において一人一口座です。金融機関を変更したい場合は、変更したい年分の前年の10月1日から変更したい年分の属する9月30日までに手続きをすることによって変更することができます。

「つみたてNISA」以外にも、60歳未満であれば、やはり税制優遇のある「iDeCo」(確定拠出年金個人型)や、投資可能金額が大きく、80歳まで継続投資ができ、死亡保障が付いている積み立てタイプの保険商品も選択肢として考えられます。それぞれのメリット・デメリットを考え、組み合わせながら自分にあった積立投資を行ってください。

医療保険選び

医療保険、保険料から比較していませんか。保険は確率から作られています。保険料が安いのが必ずしもいいとは限りません。保険料よりもまずは理想の保障内容の検討をしましょう。そして、最後に保険料の検討です。預貯金でどのくらい医療費をカバーできるのかを考え、医療保険の検討をしましょう

医療保険の検討のポイント

1、入院日額の検討

各社5000円(3000円からの会社もあります)から1000円刻みで決められます。

2、1回の給付日数の検討

30日、40日、60日、120日といろいろあります。1回の日数の限度まで給付を受けると180日空けないと次の入院給付金がもらえません。平均入院日数がどんどん短くなっているので30日~60日の範囲で選択してもいいのではないでしょうか。

※入院日数が短くなっているために1日でも入院したら一時金で給付がでる商品も出てきています。

3、手術給付金の検討

手術給付金は一般的に「入院日額×倍率」が給付額になっています。外来手術「5倍」の他に会社により入院日額の「10倍」「20倍」「10倍、40倍」「10倍、20倍、40倍」と違いがあります。手術給付金が少ない会社は保険料が安いのですが、手術給付金は多くもらえる会社のほうがいいでしょう。

4、その他の給付金を多くもらいたいかどうかの検討

①がんが心配ならガン保険やガン特約

上皮内心生物の時に100%支払う会社とそうでない会社があります。

②三大疾病が心配なら三大(特定)疾病特約

三大(特定)疾病でも「がん、脳卒中、心筋梗塞」の会社と「がん、脳血管疾患、心疾患」の会社があります。範囲の広い「がん、脳血管疾患、心疾患」の時に給付をする会社を選んだほうがいいでしょう。

※三大(特定)疾病払込免除特約にも免除の基準に違いがあります。

③女性疾病特約

女性疾病特約は会社により給付範囲が異なっています。また、入院だけ支払う会社と手術給付金も支払う会社があります。

④介護保険特約の検討

介護状態になった時が心配なら介護保険特約がある会社もあります。給付条件が若干違うのでよくチェックしましょう。

その他、認知症になった時の保険やいろいろな特約があります。同じ名称でも内容が違っていますので、給付内容の詳細をチェックして決めましょう。

家族信託のメリット・デメリット

家族信託のメリットは

後見制度に代わる柔軟な財産管理ができる

成年後見制度は、本人の判断能力が衰えるまでは財産管理ができませんが、家族信託は元気なうちから管理を任せることができます。

遺言の代わりとしての効力を持っている

遺言の作成方法に従う必要はなく、自分の死後に発生した相続についても、財産の継承者を指定できます。

二次相続が指定できます

遺言書で指定できるのは一次相続の方法のみですが、家族信託では二次相続の方法まで指定できます。次々世代までの継承者も指定できますので、お子さんがいない場合の相続対策等にも有効です。

障害のある子に財産を残す場合も有効です。

自分で財産管理できないお子さんがいる場合、遺産で安心して生活できるように信頼のできる家族・親族に託すことができます。

倒産隔離機能があります。

将来、自分や受託者が信託財産に関係のない部分で多額の債務を負ってしまった場合でも、信託財産は差し押さえられないという機能があります。

ただしデメリットもあります。

  • 身上監護に関して、成年後見人でなければできない部分があります。
  • 信頼できる家族がいない場合は活用できません
  • 受託者を誰にするかで揉める可能性があります
  • 受益者は、財産を自由にしよう・処分できないにも関わらず、財産を取得したものとして課税されます。

10年前とはいえ、法改正から歴史が浅いため、活用ジレは少なく、金融機関の実務も遅れています。専門家のアドバイスを受けながら進めることが大切です。

又、家族が受託者になるので、資産の管理・運用が外から見えないという問題もあり、相続人全員の理解も必要になってきます。

まずは、家族でしっかり話し合いをして、この制度を活用するかどうかを決めることが大切です。

家族信託

今年7月に発表された日本人の平均寿命は、男性が80.79歳、女性が87.05歳で、いずれも過去最高を更新しました。男性は世界4位、女性は世界2位です。

一方、世界保健機関(WHO)が今年5月に発表した日本人の健康寿命は男女平均74.9歳です。こちらは世界1位で、世界平均が63.1歳ですからかなり優秀であると言えます。

しかし、世界寿命と健康寿命に差があるということは、亡くなるまでの約6年〜10年は自立した日常生活が送れないかもしれない、その可能性が高いことを示しています。

2015年に厚生労働省が発表した推計によれば、2012年で約462万人の認知症患者が2025年には700万人に達し、65歳以上の実に5人に1人が認知症という世の中になると言われています。そのような社会の中では、これからは相続対策よりも、もっと大変なことが起こってくることが予想されます。

例えば、もし父母が認知症になってしまうと、父母名義の銀行の定期預金も本人の意思確認ができなければ解約できませんし、保険金の受け取りも、不動産の売却も相続が発生するまでできなくなります。その解決策として、これまでは任意後見制度や法廷成年後見制度が利用されてきましたが、この場合、財産は家庭裁判所の管理下に置かれ、定期的な報告義務などが現実的には活用しづらい面もあり、実際にはあまり利用されていません。

そのような時に、信託という制度を利用する方法が今注目されています。

個人でも受託者に

今から10年前の2007年に信託法が84年ぶりに改正され、営利を目的とせず、特定の1人から1回だけであれば、個人でも、信託業の免許なしで受託者(財産を預かる者)になることができるようになりました。

つまり、不動産や預貯金など資産を持つ人が、老後の生活や介護に必要な資金の管理や財産の処分等を信頼のできる家族に託せるようになったのです。

財産を託すという仕組みは、以前から信託銀行の業務として行われてきましたが、個人の自宅などの不動産は信託財産として受託しないため、ニーズに応えられないケースが多くなっていました。又、この仕組みは家族に託すので、信託銀行の業務のように高額な報酬は発生しません。

報酬が発生する信託銀行の業務である「商事信託」に対し、「家族信託」と呼ばれています。

具体的には、資産を持つ親が、その保有する不動産や預貯金を信頼できる子供に託し、その管理・処分を任せる仕組みであり、財産管理の一手法です。信託契約後、名義は子供に移転しますが、贈与税はかかりません。